10月31日、DJIから新しいドローン「Mavic Mini(マビック ミニ)が販売されました。
機能は制限されているものの、個人で使うなら必要十分なスペックになっています。
手軽に飛ばせるのでドローンライトユーザーやユーチューバーなんかに人気が出そうですね。
それでは詳細をご紹介致します。
目次
DJIの最新ドローン「Mavic Mini(マビック ミニ)」が登場!
日本ではドローンというと「DJI」がダントツに有名です。
比較的低価格ながら、安定した飛行と可能な限りの安全性を実現し、実際にテレビなど仕事で使われているドローンのほとんどがDJI製品になります。
そんなDJIからこのたび最新となる「Mavic Mini」がリリースされました。
この「Mavic Mini」は名前の通り、高性能というより超小型化を目指して開発されました。
一番の注目は、その重さなんと199g!
iPhone8 Plusが202gなので、それより軽いことになりますよ。
ドローンを飛ばしている方ならこの重量の意味がわかると思います。
200gと199gでは実際には1gしか違いませんが、これがとても大きな差なんですよ。
199gは航空法に適応されない!
ドローンを飛行させる場合、大きな障害となっているのが「航空法」です。
航空法の主な規制は、
・夜間飛行
・目視外飛行
・高度150m以上での飛行
・人や建物から30m以内の飛行
こういったものがあります。
実際にドローンを飛ばすと、特に「DID(人口密集)地区での飛行」や「人や建物から30m以内の飛行」、「目視外飛行」などが該当することが多いですが、そういった場合、通常は面倒な申請が必要になります。
しかし、この航空法は「200g以上のドローン対して適応」されているので、199gのドローンは航空法適応外となるわけです。
ここが今回DJIから販売された「Mavic Mini」の最大のメリットになります。
海外バージョンは249gなので注意!
ちなみにこのMavic Miniは海外で先行販売されていますが、海外バージョンは249gです。
というのも、アメリカなどは250g以上の重さのドローンに対して規制がかけられています。
なので、ギリギリ250gを切る重量設定になっています。
上記でも説明したように日本は200g以上が規制の対象なので、バッテリー容量を減らして199gまで軽くしています。
飛行時間も、海外バージョンは30分なのに対して日本バージョンは18分と短くなっています。
海外のサイトでMavic Miniを購入する場合、間違えて249gを買うと場合によっては申請が必要になるのでご注意くださいね。
199gだからってどこでも飛ばせるわけではない
航空法には適用されませんが、どこでも自由に飛ばせるというわけではありません。
私有地ならばその土地の持ち主の承諾が必要ですし、河川法や各自治体の決まりもあります。
例えば札幌は日本でもドローンの規制に厳しく、市内の公園はドローンの重さに関わらずすべて飛行禁止です。
さらに河川法で市内すべての河川で飛行が禁止されているので、飛ばす場合は申請が必要になります。
機体の重量が関係するのは、あくまで航空法だけなのでそのへんを誤解されないようご注意ください。
ライトユーザーには必要十分だが、スペックは低め
重量が199gだとメリットがあるということはご理解いただけたと思いますので、次は性能に関して触れたいと思います。
詳しいスペックはDJI公式サイトで見ていただくとして、大事な部分だけご紹介させていただきます。
◎機体重量:バッテリー込みで199g
○飛行時間:18分
△最大飛行速度:46.8km(Sモード)、28.8km(Pモード)、14.4km(Cモード)
○最大風圧抵抗:風速8m
◎スタビライズ機構:3軸 (チルト、ロール、パン)
○カメラ:1/2.3インチCMOS
○動画解像度:2.7K:2720×1530 25/30 p
FHD:1920×1080 25/30/50/60 p
☓動画最大ビットレート:40 Mbps
○静止画フォーマット:JPEG
△動画フォーマット:MP4 (H.264/MPEG-4 AVC)
◎最大伝送距離:2km
△検知システム:下のみ
○価格:Magic Mini 46,200円 / Fly More コンボ 59,400円
私なりにスペックに「◎、○、△、☓」と評価させていただきましたがいかがでしょうか。
小さな機体の割に必要な機能がしっかり詰め込まれていますね。
特にこの小さく軽い機体に3軸ジンバルを搭載するとは大したものです。
この軽さで18分も飛行できるというのも、さすがDJIといったところでしょうか。
録画解像度の最大は2.7Kです。
4Kは撮影できませんが、1080/60Pで撮影できるので個人で使う分には十分だと思います。
だだ、ビットレートが40Mbpsしかないのは残念ですね。
最近のDJI製品は100Mbpsが当たり前なので、画像の圧縮でどれくらい劣化するのかが気になります。
検知システム(センサー)が下方しかありませんが、そんな際どいところを飛行させるレベルの機体ではありませんからね。
一応2kmは飛ぶようですが、バッテリーも小さいですし機体が軽くて小さい分、風には確実に弱いので目の届く範囲で飛ばすことをおすすめします。
室内・インスタ・家族撮影におすすめのドローン
今回リリースされた「Mavic Mini」は上空高く上げて雄大に撮影するものではありません。
全方位のプロペラガードをつけて室内を撮影したり、インスタの自撮り、家族での旅行などで気軽に撮影するためのドローンになります。
しかも199gなので、比較的どこでも飛ばすことができるのがいいですね。
200g以上のドローンの場合、DID地域なら自分の家の庭で飛ばすこともできませんが、その点Mavic Miniなら自由に庭で遊んでいる子どもたちを撮影することもできます。
その用途に合っている方には非常に魅力的なドローンといえるのではないでしょうか。
逆にこのドローンで長距離飛行や風の強い海などで飛ばすとリスクが高いのでご注意ください。
Mavic Miniの危険性
ドローンというのは、機体が軽ければ軽いほど風の影響を受けやすくなります。
そして機体が小さいほどプロペラが小さくなりパワーがありません。
199gという軽さで最大飛距離2km、最高速度46.8kmとそれなりにあるのでつい遠くまで飛ばしてしまいますが、向かい風が強くて戻ってこれないという危険性があります。
そういった時は「Sモード」にしてパワーを上げ、手動で操縦するのですが、この機体はSモードでも最大46.8kmしか出ないので風に負けて戻ってこれない可能性が高いです。
(※Mavic Airは最高速度68.4km)
どこでも飛ばせるからといって街なかで安易に飛行させると、戻ってこれなかったり何かにぶつかって幹線道路に墜落、なんてこともありえますので十分に安全に配慮して飛行させてくださいね。
Mavic Miniは買いか!?
Maivc Miniのメリットとデメリットを理解した上で、このドローンは果たして買いなのか考えてみたいと思います。
まず上記で書いたように、「見える範囲で好きな時に飛ばして撮影したい」「インスタ用や子供との思い出を撮影したい」という方はおすすめだと思います。
199gの軽量な機体で航空法に適応せず、さらに個人で使うには必要十分な機能が備わっています。
今までのノウハウがあるDJIだからこそ完成できた機体だと思います。
逆に必要ではない方はすでにMavic Airなどのドローンを持っている方ですね。
私もそうなのですが、Mavic Airなどの手持ちのドローンはすでに航空法の包括申請をしています。
ですので、事後報告でいつでも飛ばすことができるんですよね。
機能もスペックもMavic Airのほうが上ですので、敢えてMavic Miniを購入する必要はないかと思います。
包括申請は確かに面倒ですが、無料でできますので頑張れば誰でも許可を受けることができますよ。
すでに他のドローンを持っている方は包括申請をするだけで、Mavic Miniと同じDID地区や目視外で飛ばすことができますので、そちらを活用したほうが実用的だと思います。
199gでも、みんながところ構わず飛ばすといずれ規制がかかる
航空法に適応しないということで、誰でもどこでも飛ばすとそのうち確実に事故が発生します。
例えば、「どこでも飛ばせるから」と街なかで飛ばしたとします。
最初は見える範囲で飛ばしていても、いずれもっと遠くに、もっと高くに、と撮影に欲がでてくるんですよね。
しかもMavic Miniはこの機体サイズで2kmも通信することができるのでかなり遠くまで飛ばすことができちゃいます。
航空法の申請をする場合は、10時間以上の飛行実績が必要になるのでそれなりに訓練していますが、199gの機体の場合はそんなものは必要ありません。
ちゃんとした知識がない方が軽量とはいえ街なかでドローンを飛ばすというのは考えただけでも恐ろしいです。
万が一、Mavic Miniで事故が多発した場合、規制が見直されることが予想されます。
今まで200g以下は規制対象外だったのが、規制の改定で180gとかにされる可能性も出てきます。
そうなると、Mavic Miniの必要性がまったくなくなるので、購入を検討されている方はとにかく安全最優先でドローンを楽しんでいただけたらと思います。