FPVゴーグルのアンテナはたくさんの種類があります。
初心者の方はどれを買っていいかわからない方もいらっしゃるかと思いますので、今回はアンテナの種類と、おすすめのアンテナをご紹介致します。
実際に計測したわけではなく体感になりますが、これからアンテナを買われる方は参考にしていただけたらと思います。
目次
用途によりアンテナの種類は違う
一括りに「アンテナ」といっても色々な用途と種類があります。
受信用(RX)のアンテナ、送信用(TX)のアンテナ、その両方に対応したアンテナ、全方位アンテナ、指向性アンテナなどがあります。
その中でも、今回ご紹介するのはゴーグルに取り付けるアンテナなので、「受信用のアンテナ」になります。
絶対必須!キノコ型の全方位アンテナ
FPVドローンのアンテナを調べていると、こういったアンテナを目にすると思います。
上2つは「キノコ型」と言われているアンテナで、下の赤いのは「パゴダアンテナ」です。
どちらも受信に死角がない「全方位型のアンテナ」になります。
電波の指向性がなく、360度どこからでも受信することができるので、FPVドローンではTX、RX問わず必須のアンテナになります。
特にキノコ型は、価格も安く種類も多いので、FPVドローンでは非常に多くの方が使っています。
キノコ型の中身は画像右のようになっており、このキノコみたいなカバーがない状態のアンテナを「クローバーアンテナ」といいます。
キノコ型もクローバーアンテナも性能に関しては同じなのでどちらを選択してもよいですが、機体(TX)に取り付ける場合はキノコアンテナを使うことが多いです。
理由はキノコカバーをすることにより強度が上がり、クラッシュによるアンテナの破損を防ぐことができます。
クラッシュ以外でも、アンテナがむき出しだと枝などにひっかかりやすく、アンテナが千切れるリスクが高いです。
カバーの分重さは増しますが、機体に付ける場合(TX)はキノコ型のアンテナがおすすめです。
ゴーグルに取り付ける場合はどちらでもよいですが、墜落したドローンの回収に向かっている時に枝に引っ掛けたり、ゴーグルを頭に付けていると目測を誤って壁にアンテナをぶつけることがあるので、とりあえずキノコ型を使用するのが無難かも知れませんね。
アンテナが一つしか付けれないゴーグルでしたら、とりあえずこの全方位キノコ型アンテナを選択して下さい。
指向性アンテナで強力受信!パネル/パッチ型アンテナ
ダイバーシティーのように、アンテナが2つ以上付けれるゴーグルをお持ちの方は、指向性の強いアンテナも付けるとバランスがよいです。
この指向性の強いアンテナは、「パッチアンテナ」や「パネルアンテナ」と呼ばれていています。
全方位のキノコアンテナと比べて利得が何倍もあるので、アンテナが向いている方向には抜群の感度を誇ります。
しかし、指向性が強い分、アンテナが送信機(ドローン)に向いていないと電波受信は極端に悪くなります。
機体が自分の後ろに回った時なんかはノイズが入りまくるので、このアンテナ単体ではなく、キノコ型と併せて使うのが一般的です。
1本なら「キノコ型アンテナ」、2本めに「パッチアンテナ」を使うのが一般的
まとめますと、1本しかアンテナが付けれないゴーグルなら「キノコ型アンテナ」、もしくは「クローバーアンテナ」を使います。
ダイバーシティー受信機でアンテナを2本付けれる場合は「キノコアンテナ」と「パッチアンテナ」をつけます。
ドローンに対面している時は「パッチアンテナ」で受信し、背面に回った時などパッチアンテナの範囲から外れた時は「キノコアンテナ」でフォローすると安定して映像を受信することができると思います。
円偏波「RHCP」と「LHCP」の意味
アンテナを購入しようと販売サイトをみると「RHCP」や「LHCP」という文字を目にすると思います。
最近FPVドローンを始めた方は訳がわからないと思いますが、これは「偏波の種類」になります。
簡単に説明しますと、アンテナの電波には「垂直偏波」「水平偏波」「右旋偏波(RHCP)」「左旋偏波(LHCP)」があります。
電波は、発信した波の形と受信するアンテナの形を同じにしないと受信しづらくなります。
つまり、発信側が縦の波の「垂直偏波」なら、受信側も縦向きのアンテナが必要になり、横の波の「水平偏波」なら受信側も横向きのアンテナが必要になるということです。
しかしFPVドローンは機体が横になったり逆さになったりと、縦横無尽に入れ替わります。
機体の傾きにより電波の角度が変わるので、受信側がその角度に対応できず、受信できる時とできない時のムラが生じます。
そこで「右旋偏波(RHCP)」や「左旋偏波(LHCP)」などの「円偏波」を使います。
「円偏波」は文字通りスクリューのように電波の波が回転(円)しているので、機体がどの角度になってもクリアに受信することができます。
「RHCP」と「LHCP」は、「R」がライトで右回り、「L」がレフトで左回りを意味し、回転方向が違うだけなのでどちらも差はありません。
ただし、発信側(機体)が「RHCP」なら受信側も「RHCP」にする必要があるのでご注意下さい。
自作ドローンで自分でアンテナを付ける場合は問題ないですが、完成品ドローンを買う時は商品説明をよく確認してくださいね。
1×X220HVフレームキット
2×2306 1650KVブラシレスモーターCW
2×2306 1650KVブラシレスモータCCW
1×4 1 45A BLHeli_S ESC IN
1×カスタマイズF4飛行コントローラは内蔵OSD
1×Foxeerミニプロ2.5ミリメートル650TVLカメラを矢印
1×5.8G 40CH 0mW / 25MW / 200mWの/ 600MW VTX切り替え
1×110dBのBBの警報ブザー
1×SpeedyBeeブルートゥースモジュール
1×45ミリメートル雄RP-SMAアンテナRHCP
2×200×20ミリメートルバッテリーストラップ
1×30°のカメラがRuncam 3 3Sと互換性のある実装 のGoProセッション
2×DalpropサイクロンT5046C透明白CW
2×DalpropサイクロンT5046C透明白CCW
2×DalpropサイクロンT5046C透明紫色のCW
2×DalpropサイクロンT5046C透明紫CCW
10×2.5×100ミリメートルナイロンストラップブラック
例えば、私が練習用に使っているWizard X220HVのパッケージ内容を見るとこのように書いています。
このセットのアンテナは、「RHCP」を使っているのがわかります。
基本的に完成品も含めアンテナは「RHCP」が多いですね。
「RHCP」と「LHCP」のどちらの向きも揃えると無駄にお金がかかるので、アンテナは「RHCP」で統一するとよいかと思います。
もし、欲しい完成品ドローンのアンテナが「LHCP」だったら、アンテナだけ付け替えればよいだけの話ですしね。
アンテナコネクタは「SMA」と「RP-SMA」の2種類がある
楽しみにしていたアンテナが届いて、いざゴーグルにつけようと思ったら「あれ、つかない・・・」という経験をした方もいらっしゃるかと思います。
そう、アンテナコネクタには面倒くさいことに「SAM」と「RP-SMA」の2種類があるんですよ。
これを間違えるとアンテナがつきませんのでご注意下さい。
まず一般的なアンテナコネクタは「SMA」になります。
FATSHARK製のゴーグルの受信機に付ける場合はこの「SMA」になりますね。
「SMA」はかぶせる側にピンがあり、かぶされる側に穴が開いています。
その逆が「RP-SMA」になります。
「RP-SMA」はEachine製の受信機なんかに多いコネクタになります。
「RP-SMA」は、かぶせる側に穴が開いていて、被される側にピンがついています。
なんかややこしい感じもありますが、とりあえず「SMA」だけ覚えておいて、そうじゃない場合は「RP-SMA」なんだと思えばよいかと思います。
それでもややこしくて覚えれないという方は、下ネタになりますが「SMA」を正常位、「RP-SMA」を女性上位と覚えてみてはどうでしょう。
詳しく説明するのも何なので、画像をみて想像していただけたらと思います(笑)
迷ったらこれ!おすすめのゴーグル用アンテナをご紹介!
私が今まで使ったのは画像のアンテナになります。
どれもしっかり受信できてクリアな映像が送られてきます。
これで十分に満足していたのですが、先日海外のドローンレースの動画を見ていたら、みんな同じアンテナをしてるんですよね。
もちろん全員ではないですが、7~8割は同じパッチアンテナでした。
これは使ってみたいと思って、どこのアンテナか調べて購入しました。
それがこちらになります。
「ImmersionRC SpiroNET V2」です。
本当はパッチアンテナだけでよかったのですが、長めのキノコアンテナも欲しかったのでセットで購入しました。
セットだとパッチ用に45度のSMAアダプタがセットになっていますよ。
パッチアンテナは「RHCP」の8dBi。
「8dBi」と言われても正直よくわかりませんが、数字が多いほうが受信力が強いということなんだと思います。
何はともあれ、まずは取り付けて使ってみましょう。
まだFatShark HDOが届いてないので、EV200Dにつけてみましたが見た目もかっこいいですよ。
このキノコアンテナの長さがいいですね。
長いと邪魔ですし、短いと自分の頭が障害物になって後ろがうまく受信できませんが、これは絶妙な長さです。
さて、実際に使用してみましたが、これは素晴らしいです。
今まで使ってきたアンテナより確実に良いですね。
ぶっちゃけ、ある程度のレベルのアンテナでしたら、どんなものを使っても受信距離はほとんど変わらないんですよ。
今回のアンテナも今まで使っていたアンテナと受信距離は変わりませんでした。
では何が素晴らしいのかというと、ノイズが少ないんです。
今までは自宅でタイニーフープをやっている時にも、「チラ・・・チラ・・・」とノイズが入っていました。
家は鉄筋マンションなので、二部屋先に飛ばすとノイズがわずかに発生します。
障害物が見えづらいというレベルのノイズではなく、本当に一瞬入る程度なのですが、今回のアンテナだとそのノイズすら一度も入らないんですよ。
最初は気づかないで飛ばしていて、「なんか見やすいな」と思う程度でしたが、ノイズがまったくないことに気づくとちょっと感動してしまいましたよ。
いや〜これはいいですね。
価格はセットで4,500円前後とちょっと高いですが、その価値はあるかと思います。
ゴーグルのアンテナで何を買おうか悩んでいる方は、これはおすすめですよ。
訳のわからないアンテナを色々買うよりはこれを買っておけば間違いはないと思いますので、是非参考にしていただけたらと思います。
→「ImmersionRC SpiroNET V2」